水陸両用ブルドーザで防災・減災・自然再生に貢献 青木あすなろ建設株式会社
青木あすなろ建設は、国内で唯一、水陸両用ブルドーザ(スイブル®)を保有する建設会社であり、1971年にコマツが量産を開始したスイブルのうち稼働中の5台全てを保有しています。水陸両用ブルドーザは、水深7mまでの浅水域で、1,200件以上の施工実績を蓄積し、防災・減災・災害復旧工事、また沿岸部の自然再生でも貢献してきました(NETIS登録番号:QS-220011-VE)。近年、地球温暖化等により激甚化・頻発化する自然災害や少子高齢化・担い手不足等の社会課題解決に向け、コマツと共同で電動式の水中施工ロボットの開発に取り組み、現在、現場で実証試験を進めています。当機は、最新のICT機能・自動制御を備え、熟練技術がなくとも誰もが安全かつ簡単に操作が可能となり、作業の大幅な効率化・迅速化が可能となります。今後、水中工事は、再生可能エネルギーや藻場・干潟の造成(ブルーカーボン生態系の創出)を推進します。
法面の緑化を外来種から在来種へ、グリーンインフラの新標準 東興ジオテック株式会社

オフィスパーク大村(施工27年10カ月)
近年、山間部や道路脇の法面(のり面=人工斜面)の崩落や土砂災害を誘発し得る集中 豪雨の頻発が社会課題となっており、様々な地域で災害リスクを高めていることから、法面 整備の重要度が増しています。斜面の安定化を担う法面事業、地盤改良や基礎工事の地 中事業などを行う東興ジオテックの強みは、地域生態系に配慮できる法面緑化を、種子の品質管理から施工までひとつながりで進められる点にあります。景観の観点から法面を緑 化することが望ましいのですが、従来の外来種を用いた緑化は利点がある一方で、外来牧 草類で緑化した法面が野生シカのエサ場になる、花粉のアレルゲンになるといった問題の指摘もありました。そこで、同社は、在来種による緑化を進めるべく、自社で種子の貯蔵施設と品質管理システムを構築するという業界初の試みにチャレンジしてきました。これは、在来種子の品質を起点に防災と自然再生を同時に進める、まさにグリーンインフラの実装モデルとなる挑戦です。
宮大工の技で森を循環させる 株式会社金剛組
日本は国土の約 7 割が森林で、その 4 割は人工林です。人工林は適切な時期で伐採と植林を繰り返す「循環する森林経営」が必要ですが、採算性などの面から伐採適期にある人工林が伐採されないまま放置されている状況があります。一方で、大径木が必要な社寺の建立や修繕において、加工できる製材設備の少なさ・価格などの面から大径木を調達することが難しくなってきています。金剛組は、宮大工の伝統建築技術がこれらの課題解決の一助になると考え「束ね柱」を開発しました。「束ね柱」とは、小径材を束ねて大径柱とする工法で、宮大工の技術による人工林の循環利用と伝統建築に必要な木材の確保を両立させることを目指しています。
「SDGsアワード」にパートナー企業として参画
髙松グループは、『ニューズウィーク日本版』が企画する「SDGsアワード」にパートナー企業として参画しています。
パートナー企業とは、ニューズウィーク日本版とともに、日本のビジネス界におけるSDGsの取り組みを国内外に発信し、さまざまな課題にチームとして取り組んでいく企業のことです。パートナー企業同士が互いの取り組みについて深く知ることで、自社の取り組みへのヒントを得るなど、業界の垣根を超えて連携し、持続可能な社会・環境を一緒に創造していきます。

髙松コンストラクショングループ(以下、当社)は、「気候変動リスクへの対応」を重要なマテリアリティの一つと認識しています。当社は「建設を通じて社会における相互補完の一翼を担う。」の経営理念のもと、課題対応に取り組むため、2050年を目標としたカーボンニュートラル実現に向けた「CO2排出量削減ロードマップ」を策定いたしました。
ガバナンス体制
当社は、脱炭素化施策の策定や気候変動に関するリスクおよび機会の検討・審議を行う組織として、代表取締役社長を委員長とする「気候変動対策推進委員会」を設置しています。この委員会は、具体的な脱炭素化戦略を立案し、当社の削減目標および社会課題の解決に向けて中心的な役割を果たしています。グループ会社の事業部とも密に連携し、カーボンニュートラルの達成に向けて脱炭素経営に取り組んでいます。
髙松グループの温室効果ガス排出量と削減目標
当社グループのGHGプロトコル(※1)に基づく温室効果ガス排出量と削減目標は以下の通りです。
目標①
2023年度を基準年として、Scope1,2の排出量を2030年までに総量を24%以上削減し、2050年までにカーボンニュートラル達成
目標②
2023年度を基準年として、Scope3の排出量を2050年までにカーボンニュートラル達成
Scope1実績値(2023年度)
7,735 t-CO2eq
Scope2実績値(2023年度)
- ロケーション基準:11,992 t-CO2eq
- マーケット基準:12,339 t-CO2eq
Scope3実績値(2023年度)
556,954 t-CO2eq(※2)
また、グループ会社である青木あすなろ建設、みらい建設工業では、国際的なイニシアチブであるSBTi(※3)に基づいた削減目標を設定し、SBT認定を取得しています。
青木あすなろ建設の温室効果ガス排出量削減目標がSBT認定を取得しました|青木あすなろ建設株式会社
当社の2030年度温室効果ガス(GHG)削減目標がSBT認定を取得しました|みらい建設工業
※1 GHGプロトコル:GHGプロトコルとは、民間および公共部門の事業、バリューチェーン、緩和活動等を含めた温室効果ガス排出量を測定、管理するための世界標準。
※2 Scope3の算定範囲について:現在、Scope3の排出量は、当社グループの青木あすなろ建設とみらい建設工業およびその子会社(青木マリーン、エムズ)を算定しています。今後、当社と左記以外の中核会社(髙松建設、東興ジオテック、タカマツハウス)の排出量算定を進めていき、その後は他のグループ子会社の算定も順次進めていく予定です。
※3 SBTi:気候変動対策のため、2015年のパリ協定を通じて、産業革命以前の水準から地球の気温上昇を1.5℃に抑えるため、2050年までに実質0(ネットゼロ)の達成に向けて、科学に基づきGHG排出量削減に向けた目標設定を推進する国際的なイニシアチブ。
カーボンニュートラル達成に向けた移行戦略
脱炭素化社会への移行に際して、当社はこの変化が重大な影響を及ぼすと認識しています。その影響を緩和するために、削減施策をGHGプロトコルに沿って検討し、各場面における具体的な削減施策を考案しています。また、中長期的なシナリオを考慮したロードマップを策定しています。
1. 建設・建築現場でのCO2排出量削減(Scope1)
施工の合理化や先進的な建設機械の使用による生産性向上、省エネルギー化の実施により、CO2排出量削減を進めます。
2. 再生可能エネルギー導入の推進(Scope2)
自社保有ビルや現場事務所への再生可能エネルギー電力の導入を進めています。また、各事業所における省エネ活動も行い、グループ全体でのCO2排出量の削減に取り組んでいます。
3. 低炭素・環境負荷低減の建材調達(Scope3)
グループ会社である青木あすなろ建設では、環境配慮型コンクリート「CELBIC(セルビック)」の研究会に参画し、低炭素型コンクリートの開発・普及を推進しています。
また、製造工程でCO2を固定化する「カーボンプールコンクリート」の研究開発プロジェクトに参画し、構造物への実装に向けて取り組んでいます。
環境配慮型BFコンクリート「CELBIC」 青木あすなろ建設株式会社
建築室内及び土木・建築一般構造物へのCO2を固定化するコンクリート適用技術の開発および実装 チャレンジ・ゼロ
4. 省エネ建築物の提供(Scope3)
建物の使用段階におけるエネルギー使用量は非常に膨大であることから、当社グループでは、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)をはじめとした、快適な室内環境を実現しつつ、建物での年間エネルギー消費量を削減できる省エネ建築物を推進しております。
建物の新築・改修を検討されるお客様にZEB化・ZEH化の優位性を説明し、積極的に提案することで省エネ建築物の普及に取り組んでおります。
環境に配慮した事業の促進
ZEB・ZEHの推進
グループ会社のタカマツハウスでは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準の高断熱住宅(断熱性能5等級・一次エネルギー性能6等級)の提供を強化し、東京都のHTT取組推進宣言企業に認定されました。
また、タカマツハウスでは、2024年度以降に企画するすべての建売住宅をZEH水準にするという目標を掲げ、積極的にZEHの普及に取り組んでおります。
HTT取組推進宣言企業に認定 タカマツハウス株式会社
再生可能エネルギー事業
蓄電池事業

再生可能エネルギー 蓄電池事業 青木あすなろ建設
(札幌蓄電所イメージ図)
蓄電池事業は、2022年12月の法改正により蓄電池単独で送電線を介して系統電力に放電することが可能になり、脱炭素化社会に向けて、発電量が天候に左右される再生可能エネルギーの系統電力の安定化を図る事業として急速に拡大をしています。青木あすなろ建設では電力会社等と協同で蓄電池を利用したビジネスモデルを構築し、北海道の石狩市と札幌市に系統用蓄電所(出力10MW発電所容量30MWh)を建設しております。今後もカーボンニュートラル実現に寄与すべく事業展開を図っていきます。
風力発電事業

再生可能エネルギー 風力発電事業 青木あすなろ建設
(東由利原ウインドファーム)
日本国内に導入された風力発電は、2024年時点で累積5,840MW、設備基数2,720基に達しました。青木あすなろ建設では、2004年から風力発電の建設工事に取り組み、2025年5月末時点では全国で発電規模571MW、設備基数 264基を建設してきました。現地調査から計画立案、調査設計、開発許認可、建設に至る各フェーズで、様々な改善方策や提案を実施し、これまで開発が難しいとされてきた複雑な地形の山岳部等においても、建設実績を挙げてきています。
太陽光発電事業

再生可能エネルギー 太陽光発電事業 青木あすなろ建設
(久米南メガソーラー)
再生可能エネルギーに関する固定価格買取制度(FIT)が導入された2012年以降、日本国内では太陽光発電所の建設が劇的に増加してきました。そのような中、青木あすなろ建設は、早期から太陽光発電所の建設に取り組み、施工のみならず企画段階から現地調査、発電所計画の提案、許認可・設計等の技術的なサポートまで幅広く活動してきました。2025年5月末時点で完工は38箇所、発電規模889MWに上ります。多くの施工実績を積み上げる中で、ゴルフ場跡地など、複雑な地形での建設実績も残しています。
生物多様性に配慮した緑化
生物多様性に配慮した緑化 東興ジオテック株式会社
「生物多様性に配慮した在来種による自然回復緑化」の実現に向け、1995年以来、自社で在来種子を採取、貯蔵し、法面緑化工事で活用する傾斜地の環境緑化事業を展開しています。これからの時代の法面・斜面の緑化では、外来種を用いない在来種による自然回復緑化が求められており、多様なニーズに対応できる緑化工法メニューを取り揃えて、国土の緑化に貢献してまいります。
【東興ジオテックによる緑化工法事例】
エコストライプ工法(非面的吹付緑化工)
エコストライプ工法
植物を計画的に導入できる播種工(はしゅこう:種子から導入する工法)と、飛来種子で緑化する「自然侵入促進工」を組み合わせた工法です。法面を帯状に緑化して、周辺から植物が自然侵入できる空間を人為的に作ることにより、周辺植生による植生回復を促進するとともにコストを削減できます。
レミフォレスト工法(自然侵入促進工)
レミフォレスト工法
飛来種子を捕捉して緑化する自然侵入促進工法です。吹き付けた「高耐久性基盤」の上に立体構造の種子定着促進ネット「シードキャッチャー」を張り付けすることにより、地山とシードキャッチャーを密着できるので、凹凸のある岩質法面でも法面防災と速やかな自然回復の両立が実現します。
リサイクルアースグリーン工法(資源循環型緑化工)
リサイクルアースグリーン工法
掘削土や崩壊土砂などの「発生土」を主材料として活用する資源循環型緑化工法です。現地の土砂資源を循環活用することにより、土砂運搬や工場生産される緑化資材の使用量を抑制し、緑化工事で発生するCO₂排出量の低減にも貢献します。急速緑化から在来種による自然回復緑化まで広く適用できます。
【研究開発施設】
日本樹木種子研究所
在来種子の調達、独自開発した「早期発芽力検定法」による種子の品質検査、品質証明書の発行、種子貯蔵関連技術の開発を行なっています。
日本樹木種子研究所
早期発芽力検定法による追跡調査
種子貯蔵・計量袋詰施設(RSセンター)
独自開発技術を用いた在来種子の中長期貯蔵と、種子の計量袋詰・出荷を行なっています。
種子貯蔵施設
種子計量袋詰装置
髙松コンストラクショングループは、2023年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、TCFDの提言に沿った情報開示をおこなっております。
今後も、サステナビリティ経営を推進し、TCFDの提言に沿った情報開示を拡充してまいります。
2.戦略
- 中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を捉え、関連リスクおよび機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、当社はIEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気候変動シナリオ(2℃未満シナリオおよび4℃シナリオ)を参照し、2050年までの長期的な当社への影響を考察し、戸建住宅を含む建築・土木事業を中心にシナリオ分析を実施しました。
※2℃未満シナリオ:気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ(IEA-WEO2022-APS、 IPCC-AR5(第5次評価報告書)-RCP2.6 等)
※4℃シナリオ:気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ(IPCC-AR5(第5次評価報告書)-RCP8.5 等)